来春、韓国の2大バレエ団が我が国で競演!

我が国と韓国のバレエ界との関わりは少なくない。
国立の韓国国立バレエの初代芸術監督は服部・島田バレエ団出身の林聖男。林と青年バレエグループ(服部・島田バレエ団を脱退した者や佐多達枝が結成)で活動を共にした石田種生が同バレエ団に大作『エスメラルダ』を振付してもいる。戦後バレエのパイオニアたる巨匠・小牧正英も韓国国立バレエに招かれ演出・振付をしているし、東亜日報バレエコンクール審査員を務めるなど日韓バレエ界の親善に尽くしてきた。
近年も2004年に神戸で日本バレエ協会と韓国のバレエ協会が合同で『眠れる森の美女』全幕を上演し、新国立劇場バレエ団が2002年『ドン・キホーテ』で、キム・ジュウォン&ジャン・ウンキューという韓国ペアをゲストに招いているのは記憶に新しい。
さて、来春注目したいのが、韓国を代表する2大バレエ団、韓国国立バレエと民間のユニバーサル・バレエが相次いで日本の舞台に立つことである。
韓国国立バレエは2002年にグリゴローヴィッチ版『白鳥の湖』『ジゼル』を持って来日。今回は埼玉県舞踊協会の主催する「ダンスセッション2012」(2月5日彩の国さいたま芸術劇場大ホール)に客演する。小品/少人数での参加と思われるが、故・藤井公が中心となって国際交流にも励んできた同協会だからこそ実現できる企画といえそうだ。
http://www.saitamaken-buyoukyokai.jp/image/guidance/event_tirasi_dancesession2.pdf
ユニバーサル・バレエは民間カンパニーであるが精力的に海外ツアーを行い、世界的なプリマであったジュリア・ムーンが芸術監督を務めている。この秋も『ジゼル』を持って首都圏3都市で公演を行い好評を博した。近年の来日公演では、『ジゼル』のほか韓国の古典文学を基にした『春香伝』という創作バレエを持ってきていたけれども、来春の来日公演(2月28−29日 パルテノン多摩大ホール)では「THIS IS MODERN」と題して、イリ・キリアンの『小さな死/6 DANCES』、ウィリアム・フォーサイスの『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』、オハッド・ナハリンの『マイナス7』が上演される。コンテンポラリー・バレエ/ダンスのファンにとっては垂涎といえるプログラムだ。
http://www.mde.co.jp/danza/book/037/#page=28
http://www.universalballet.jp/
韓国国立バレエ、ユニバーサル・バレエともども世界の有力振付家のレパートリーを導入し意気盛んだ。同じアジアといっても体型面では大陸系の韓国の方に分がありそうな気もする。いずれにせよ、日本と韓国のバレエが、いい意味で競いあい、交流し合って、アジアのバレエの水準向上につながっていけばよいと思う。期待したい。


Korea National Ballet [Swan lake]-Pas de Trois

韓国 ユニバーサル・バレエ 沈清