杉並洋舞連盟第19回公演「創作舞踊&バレエ」

杉並洋舞連盟第19回公演「創作舞踊&バレエ」
主催:杉並洋舞連盟 共催:杉並区教育委員会
●泉田千種『旅路』
小波俊子『シリウスの星』
●田中りゑ『ミンクス ドリーム』

(2009年3月22日 セシオン杉並)

杉並洋舞連盟公演をはじめて観る。杉並区内13団体の合同公演であり、創作舞踊とバレエによるバランスの取れたプログラムだった。『旅路』は冴子や復井雅子らを中心に人生、人のいきる路を写しだす。老若男女が入り交じりさまざまの人生模様を情景として連ねるが重くならずにまとめあげるのはベテランならではの仕事といえる。『シリウスの星』はギリシャ神話をモチーフに火と水の対立を折り目正しい作舞を駆使し幻想美のなかに描いた。「ミンクス ドリーム」は『ドン・キホーテ』より夢の場とバルセロナの街を舞台にしたディヴェルティスマンおよびキトリとバジルによるグラン・パ・ド・ドゥを再構成して上演。若い踊り手がほとんどながら夢の場では純然たる古典の世界に挑み、バルセロナの街では活力あるキャラクター・ダンスを繰り広げた。新国立劇場バレエ団にてキャラクターダンサーとして活躍した田中らしくディヴェルティスマンにおいて若い踊り手の踊る喜びを引き出す手腕に長けている。グラン・パ・ド・ドゥを踊ったのはヤロスラフ・サレンコ&安部真由美(前日は広瀬万弥子)。サレンコの軽やかな跳躍、滑らかなピルエットに会場は沸き、安部も客席の手拍子にあわせ32回のフェッテを決めた。若い踊り手にとって舞台で経験を踏んでいくことは大切。今後の展開も楽しみだ。