川口節子バレエ団『くるみ割り人形』

創立30周年記念PART3
川口節子バレエ団『くるみ割り人形』(全幕)
構成・振付:川口節子/クリストファー・ストウエル/ダマラ・ベネット
クララ:高橋莉子
雪の女王:加藤亜弥
雪の王子:水野陽刈(ダンスカンパニーユニコーン)
くるみ割り王子:碓氷悠太(松岡伶子バレエ団)
金平糖の精:高木美月
お菓子の国の王子:高宮直秀(ダンスカンパニーユニコーン)
指揮:稲垣宏樹
演奏:中部フィルハーモニー交響楽団
合唱:日進児童合唱団
(2008年12月23日 愛知県芸術劇場大ホール)

『イエルマ』など独創的な創作で知られる川口節子の主宰する団の定期公演。クララと金平糖の精を別ダンサーが踊る演出で大きな変更はないが随所に創意工夫を加えている。1幕、ネズミたちと戦う兵隊は大きなプレゼントの箱に入って登場。2幕ディヴェルティスマンでは中国の踊りにおいて棒術?をする女性が踊ったり、アラビアの踊りではアラビアの笛を吹きながら男性が登場してマジックを行ったりする。ドロッセルマイヤーの魔法によって少女がみた楽しい夢の世界を豊富な踊りと丁寧なマイム・演技で描く。ジュニアを含めた出演者は皆いきいきしており、音楽性に優れた踊りを披露していた。演者の動きを押さえつつチャイコフスキーの音楽の魅力を伝えた指揮も特筆もの。団員に加え大寺資二らとともに中部バレエ界を代表するベテラン高宮直秀や若手ノーブルダンサーの筆頭格として注目を浴びる碓氷悠太らゲスト陣も好演していた。