DANCE

愛知芸術文化センター「パフォーミング・アーツ・ウェーブ」のプレビュー記事を寄稿

愛知芸術文化センターでは、今月末から来月上旬にかけて「パフォーミング・アーツ・ウェーブ」と題したダンス&パフォーマンスのイベントを行う。 これは、金森穣/Noism『Nameless Hands〜人形の家』、黒田育世+近藤良平『私の恋人』という最注目のアーテ…

チェーホフ原作のバレエ&ダンス

今年はロシアの劇作家、アントン・チェーホフの生誕150年ということで様々なイベントや上演が行われた。東池袋のあうるすぽっとでは「あうるすぽっとチェーホフフェスティバル2010」が、シアターχでは国際舞台芸術祭IDTF「チェーホフの鍵」が開催されている…

2010モダンダンスのコンクール回顧 シニア/創作

先日、「あきた全国舞踊祭」が行われ、結果発表が行われた。これで本年度のモダンダンス系の主要コンクールがすべて終了したことになる。シニア・成人部門および希少な創作部門について結果を振り返っておこう。 第67回全国舞踊コンクール現代舞踊第一部 第1…

垣内友香里/BennyMossの上海公演

振付家・ダンサーとして多くの舞台で活動する垣内友香里/BennyMoss。学生時代に演劇をはじめたのちに、錬肉工房の岡本章に師事。その後ストアハウスカンパニー、伊藤キム+輝く未来を経て独自の活動を続けるアーティストである。 ラボ・アワードを獲得したS…

横浜ダンスコレクションEXコンペティション出場者決定

「次世代支援」「交流事業の強化」に重点を置き、リニューアルした「横浜ダンスコレクションEX(エックス)」(旧横浜ダンスコレクションR)。メインプログラムであるコンペティションは、従来の「作品部門」(コンペティション1)に加え、25歳以下の国内作…

Noism01『人形の家』とNoism&金森穣の予定

Noism01秋の公演『Nameless Hands〜人形の家』新潟公演最終日を観た。新シーズンの開幕を飾る公演だが2004年の結成以来よくぞここまで続いていると思うと感慨深い。前日にはNoismの活動をはじめ文化行政に理解の深い篠田市長が3期目の当選を決めたというニュ…

長内裕美が「15 MASDANZA」 にて受賞!

今春行われた横浜ダンスコレクションR2010「横浜ソロ×デュオ<Compétition>+」にて「若手振付家のための在日フランス大使館賞」「MASDANZA-EU 賞」をダブル受賞した長内裕美(おさない・ゆみ)がスペイン・カナリア諸島で開催された「15 MASDANZA」Solo Con…

ニブロール新作『THIS IS WEATHER NEWS』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミングアーツ部門にて世界初演されたニブロールの新作『THIS IS WEATHER NEWS』。これは彼らの10周年記念作品『Romeo OR Juliet』(2008年)以後初となる劇場での新作発表である。 ニブロールといえば、ディレクター・シ…

コンテンポラリー・ダンス 男性振付家の躍進

先日、横浜にあるニュースポット、象の鼻テラスというところで、まことクラヴ『事情地域ヨコハマ』を観た。まことクラヴは“部活動”を自称し、野外でのゲリラ的なパフォーマンスを行ったり、劇場でもダンスだけでないさまざまなアイデアあふれる演出で楽しま…

平山素子新作ソロ『Carp with wings, me』

「あいちトリエンナーレ2010」パフォーミング・アーツ「まちなかパフォーマンス」の一環として行われた平山素子の新作ソロ『Carp with wings, me』を観てきた(10月3日所見)。 これはハープ奏者で平山と同じく名古屋出身の神谷朝子とのコラボレーションである…

獅子の舞たち

本日、10月1日、文化庁芸術祭祝典として「アジアを結ぶ獅子たち」が行われる。 これは獅子をキーワードに、わが国をふくめたアジア三カ国の民族舞踊を披露するというものだ。バレエやコンテンポラリー・ダンスの観客も機会があればさまざまの民族舞踊にも触…

三池崇史監督映画の振付等について

先日行われたベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、惜しくも賞は逃したものの地元メディア等で好評を博したと報じられたのが三池崇史監督の時代劇映画「十三人の刺客」。これは東映京都撮影所の製作、工藤栄一監督・片岡千恵蔵主演により196…

ヤン・ファーブル、貞松・浜田バレエ団、モノクロームサーカス×服部滋樹(graf)、日本舞踊 五耀會、チェルフィッチュ

9/23(木・祝)〜25(土)までの3日間は関西・中国方面に取材出張&観劇に出ていた。改めて触れる機会もあるかもしれないので、ここでは簡単な報告のみ。 23日はまず兵庫・伊丹アイホールにてヤン・ファーブル『Another Sleepy Dusty Delta Day〜またもけだるい…

7〜8月のダンス公演、フリンジ系を中心に

7〜8月に観た公演のなかから、小スペースでの公演というかフリンジ系の公演、バレエ雑誌や業界紙等の媒体に評・レビュー等が出ることが少ないと思われるもの、評論関係者をあまり見かけなかった公演等について簡単な感想を記しておこうと思う。なお、すでにb…

首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』

首藤康之×シディ・ラルビ・シェルカウイ『アポクリフ』初日を観る。 モロッコ系ベルギー人で、最注目される振付家・ダンサーのひとりシェルカウイ。彼が聖書から排除された言葉を集めた外伝「アポクリフ」をモチーフにした本作は、かつてモーリス・ベジャー…

あいちトリエンナーレ2010、開幕!

“都市とアートが響き合う、3年に一度の国際芸術祭”として今年スタートしたあいちトリエンナーレ2010。現代美術とパフォーミングアーツを中心とした現代芸術の多様性を示す意欲的なプログラムが並んでいる。8月20日に行われた内覧会およびレセプションには出…

維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』&東野祥子『私はそそられる―Inside Woman』

野外での充実した舞台を続けてみた(「清里フィールドバレエ」については既報)。 ひとつは岡山県は瀬戸内海の犬島で行われた維新派公演『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』(7月24日観劇)。岡山駅からバスに乗り、新岡山港からフェリーで移動して島に向か…

「踊りに行くぜ!!」2参加ダンスアーティスト決定

2000年からスタートして全国各地のスペース間をつないでコンテンポラリー・ダンスの存在と魅力を広く紹介してきたJCDN/ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク「踊りに行くぜ!!」。10周年を一区切りとして本年からは「踊りに行くぜ!!」2(セ…

森山開次ソロダンスツアー2010『翼 TSUBASA』

森山開次のソロ『翼 TSUBASA』(7月23日 世田谷パブリックシアター)。 2001年、初のソロ公演で上演した『夕鶴』の再演であり、「鶴の恩返し」を題材にしたもの。民話の世界を情趣たっぷりに描いている。ピアニストの阿部篤志、トランペット奏者の田中一徳との…

象の鼻テラス&横浜赤レンガ倉庫1号館による合同記者発表

創造都市・横浜に根付いた文化施設として多彩な活動を行う象の鼻テラス(運営:ワコールアートセンター)と横浜赤レンガ倉庫1号館(指定管理者:公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)による合同記者発表が7月20日、象の鼻テラスにて開かれた。 直線距離にして数百…

トヨタコレオグラフィーアワード2010“NEXTAGE”最終審査会 審査結果

コンテンポラリー界の一大イベント・トヨタコレオグラフィーアワード2010“NEXTAGE”最終審査会が19日世田谷パブリックシアターにて行われ、「次代を担う振付家賞」および「オーディエンス賞」が決定。足を運んでいないが情報を得たので速報を掲載。 次代を担…

Noism1&Noism2合同公演 新潟限定 劇的舞踊『ホフマン物語』

Noism1&Noism2初の合同公演 新潟限定 劇的舞踊『ホフマン物語』は本拠地・新潟のりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)での3日間限定。公演シーズン真っ只中であるが、さっそく初日(7月16日)に駆けつけた。Noism1と研修生カンパニーNoism2あわせて19名が出演…

カジワラトシオ×東野祥子 『UNTITLED RITUALS NO.1-NO.5』

原宿にあるhttp://www.littlemore.co.jp/chika/:TITLE=リトルモア地下という地下の小スペースで行われたカジワラトシオ×東野祥子 による『UNTITLED RITUALS NO.1-NO.5』という公演を観た。 若者向けの雑誌や写真集を制作するほかレコードのレーベルも持ち、…

ローザスと鬼才振付家ケースマイケルの現在

8月に開幕する「あいちトリエンナーレ」のパフォーミング・アーツ部門で上演予定されているローザス『ローザス・ダンス・ローザス』のチケットが早くも完売したようだ。10月末の平日3日間の小ホール公演とはいえ、コンテンポラリー・ダンス公演として何百人…

ボヴェ太郎『消息の風景−能《杜若》−』

7名の能楽師と共演し能の名作「杜若」に挑んだボヴェ太郎の新作『消息の風景−能《杜若》−』(7月2、3日 伊丹アイホール、3日所見)は、期待にたがわぬ刺激的な舞台だった。“空間と身体の呼応によって生成される「場」の可能性を、舞踊を通して模索してきた”(公…

Noism1『Nameless Hands-人形の家』再演

Noism1の秋の公演は、一昨年夏に発表された見世物小屋シリーズ第1弾『Nameless Hands-人形の家』の再演。第8回朝日舞台芸術賞舞踊賞を受賞したが、その際同時に受けたキリンダンスサポートによる再演とのことだ。すぐれた現代作品の再演に力が入るのは望ま…

contact Gonzo

インドネシアダンスフェスティバルが行われ日本からはcontact Gonzoが参加する。 contact Gonzoとは、垣尾優と塚原悠也が2006年に結成したパフォーマンス・ユニットであり、関西を拠点としている。激しい殴り合いのような格闘技的な即興パフォーマンスを…

「2010年トルコにおける日本年」関連ダンス公演ほか

今年は日本とトルコの友好関係の起点として知られるエルトゥールル号遭難事件から120年を迎えた。それに伴って、「2010年トルコにおける日本年」が開催され、その参加公演中心にさまざまな文化事業やイベントが行われている。 トルコの現代演劇・舞踊界の話…

「横浜ダンスコレクションR」が来年度からリニューアル

旧バニョレ国際振付賞のジャパンプラットホームとして出発し、形態を変えながらも若手振付家の登竜門として機能してきた「横浜ダンスコレクションR」。次回(2011年度)から「横浜ダンスコレクションeX」としてリニューアルする旨が発表された。 コンペは今ま…

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 『私と踊って』

ピナ・バウシュが率いていたヴッパタール舞踊団がピナの死後はじめて来日した。 今回の上演されたのは『私と踊って/Komm tanz mit mir』。リュートの生演奏にのせたドイツの古歌謡が舞台を満たし、「私と踊って!」と女が何度もなんども繰り返す言葉が、とき…